「聖 書」
どうか、主があなたがたを、お互いの愛とすべての人への愛とで、豊かに満ちあふれさせてくださいますように、わたしたちがあなたがたを愛しているように、そして、わたしたちの主イエスが、御自身に属するすべての聖なる者たちと共に来られるとき、あなたがたの心を強め、わたしたちの父である神の御前で、聖なる、非の打ちどころのない者としてくださるように、アーメン。
さて、兄弟たち、主イエスに結ばれた者としてわたしたちは更に願い、また勧めます。あなたがたは、神に喜ばれるためにどのように歩むべきかを、わたしたちから学びました。そして、現にそのように歩んでいますが、どうか、その歩みを今後も更に続けてください。わたしたちが主イエスによってどのように命令したか、あなたがたはよく知っているはずです。
(テサロニケの信徒への手紙 一 3章12節~4章2節)
説 教 「わたしたちから学びました」
パウロ先生の「勧告」のような御言葉です。本日からアドベント(待降節)に入りました。本日の御言葉はクリスマスを迎える上の「心備え」をするために相応しいものです。(4:1)にて「あなたがたは、神に喜ばれるためにどのように歩むべきかを、わたしたちから学びました。」とパウロ先生は語ります。本日の重要語は「わたしたちから学びました」です。何を学んだのでしょうか。この「学んだこと」を知り、アドベントの時に、この信仰の真実に向き合うことが、本日の御言葉が与えられている意味です。本日朗読された「テサロニケの信徒への手紙一」はパウロ書簡の最初のものです。宣教の実りとしてのテサロニケの最初の状況は「使徒17章」に詳しく記されています。テサロニケの教会は、パウロたちがいなくなっても、「愛と信仰」にしっかりと立つ教会として、あり続けていました。しかし内部に誘惑する者もいて混乱も生じていました。先生は彼らを励ますために、本日の書簡を送ったのです。本日の御言葉は、先生の思いを要約したものです。本書簡は(1-3章)「喜びと感謝」(4-5章)「教えと指導」という構成になっています。この一部と二部をつなぐ御言葉が本日のものです。(3:11-13)は「パウロの祈り」と言われます。「忍耐の祈り」とも言います。私は「愛と慈しみの祈り」と呼ぶのが相応しいと思っています。パウロ先生は指導に入る前に「祈り」を捧げたのです。そして不安と混乱の中にある「若い教会」に対して、「神に喜ばれる生活」こそが、あなたがたの信仰を守るのだと語ったのです。そして、それはどのように歩むべきかは「わたしたちから学んだこと」であると続けられたのです。パウロ先生たちは彼らにキリスト者の「生き様」を通して、「キリスト者の姿」を見せられました。その「姿」とは、迫害者(敵)に対しても祈る姿です。このことは祈りの言葉にある「すべての人への愛」で満たして下さいに表れています。「すべての人」には迫害者、敵、誘惑する者も入っているのです。これは主イエスが教えられた「愛敵の教え」(ルカ6:27-28)の実践です。この祈りは、自分の思いや誘惑を捨て、「神の計画」に身を委ねる生き方を意味しています。アドベントキャンドルの色は「紫」です。「悔い改めと希望」を表しています。「赤」のキャンドルは「純粋と信仰」を表します。先生は4章にて「携挙」を「聖徒たち」とも合わせて語られました。私たちは「聖さ」を求め、歩み続けます。「天国の住人」である喜びを生き続ける為です。先生は聖さと愛を生きられました。その姿は、私共に信仰のあり方を教え続けているのです。