9月29日(日)聖日礼拝

「聖 書」

しかし、神の人よ、あなたはこれらのことを避けなさい。正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい。信仰の戦いを立派に戦い抜き、永遠の命を手に入れなさい。命を得るために、あなたは神から召され、多くの証人の前で立派に信仰を表明したのです。万物に命をお与えになる神の御前で、そして、ポンティオ・ピラトの面前で立派な宣言によって証しをなさったキリスト・イエスの御前で、あなたに命じます。わたしたちの主イエス・キリストが再び来られるときまで、おちどなく、非難されないように、この掟を守りなさい。

(テモテへの手紙一  6章11~16節)

説 教 「掟を守りなさい」

テモテはパウロからの「手紙の結び」において、「神の人よ」と呼びかけられている。そして「異なる教え」に対するために、「この掟を守りなさい。」と最後に勧められた。では「この掟」とは何を指すのだろうか。前後の文章を読むだけでは「不明」である。この「掟」が何を指すのかは、今回もコンテキスト(文脈・背景)を読み解く必要がある。パウロがテモテを最後に「神の人よ」と呼びかけたのは、「これらのことを避けなさい」にかかる前節の「世の人」に比した言葉である。「世の人」とは「真理に背を向け、信心を利得の道と考える人」のことである。教会には外側から、内側から敵(サタン)が忍び込んで来る。パウロがテモテに告げた教えは現代の教会に生きる私達にも敵に抗するために有効な手立てである。では敵(サタン)に抗するために勧められた最後の言葉「この掟を守りなさい」とは如何なることか。それは「清い心と正しい良心と純真な信仰とから生じる愛を目指すこと」(1:5)であり、「信仰と正しい良心とを持って、(敵に抗して)雄々しく戦うこと」(1:19)である。その思いを込めて、パウロは「正義、信心、信仰、愛、忍耐、柔和を追い求めなさい」「信仰の戦いを立派に戦い抜きなさい」「永遠の命を手に入れなさい」と最後に勧めたのである。本日は「召天者合同記念礼拝」でもある。このパウロが語る意味について、本教会の先達の「証し」から聞くことにしよう。「私は身体弱くてよく病気で床に着きましたが、そんな時先生は飛んできて下さり、熱烈なる祈りで病気の癒しを神にお祈り下さいました。そんな事が何度も何度もありました。其の先生のあの輝かしい清らかなお顔は、神にも似て終生忘れる事が出来ません。」(武田ウタ姉)「この世に生かされてある限り主の僕としての証が立つ日々を過し、祈りつつ行き度いと思っております。主の恵み、汝にたれり、ハレルヤ。」(九重谷睦子姉)如何でしょうか。パウロの勧告に通底する「証し」です。この意味を一言で述べるならば、「敵に惑わされずに、自らの信仰を保ち、初めの愛に留まれ」ということです。ヨハネの黙示録において、「エフェソの教会」に向けた言葉があります。それは、「あなたは初めのころの愛から離れてしまった。」です。主イエスからの勧告であるこの言葉は逆に解せば、「初めの愛に帰れ」でありましょう。これは「ファーストラブ」の意ではなく、質的な意味です。私共に「狼」が襲って来ようとも、純真な信仰、神の愛に留まる「掟」を守る時に、すべての事は守られ、益とされるのです。